INTRODUCTION
velvetとは
velvetは、ニシカワアヤコが主催する、ペーパーモビールの工房です。
モビールの制作以外に、ペーパークラフトや切り絵作品も制作しています。
その他、グラフィックデザインやWEBのお仕事もこなしています。
ベルベットという名前は、触り心地のいい、上品な作品を作りたいとの思いから名付けました。
みなさんの生活の中に、ふんわりと上品でやさしいデザインが提供できればと思っています。
モビールって？
みなさんもどこかで一度は見たことがあるかもしれません。
モビールとは、キネティック・アートの一種で、「動く彫刻」とも言われます。
いわゆるやじろべえのように、左右にモチーフが配置されて、一点でつり下げられているインテリアです。わずかな風の動きで、ゆらゆらと揺れたり、回転したりします。
日本では、赤ちゃんのベッドの上で動く玩具をモビールと呼んだりしています。
デンマークやフィンランドなどの北欧の国々では、古くから室内装飾品、インテリアの一種として親しまれていましたが、アート作品としてはアメリカの彫刻家のアレクサンダー・カルダーが、芸術作品としてのモビールを創始したことで知られています。
最近では日本でもインテリアとして普及してきており、その中で一番有名なメーカーはフィンランドの「フレンステッド社」です。気球やぞうさんのモチーフのモビールは、人気商品として有名ですね。
モビールを作り始めた理由
そんなゆらゆらと揺れるモビールに、魅了されてしまったのが私です。
モビールは、そこにあるだけでは何の役にもたたないかもしれないけれど、見ているととっても心が癒されます。
集めるだけではあきたらず、自分で作りたくなってしまいました。
そして、作り始めて気づいたことがありました。
私はグラフィックデザインの教員をしていますが、ビジュアルデザインの基礎として、構成要素の講義をします。
ビジュアルデザインの構成エレメントである形・色・質感・構図（配置やバランス）。基本的な平面作品では、これらの要素が重要になります。
立体作品になると、立体（空間）・光・影などの要素が加わり、さらに時間という要素が加わります。
そして単純化、シンボリック表現、世界観、ストーリー…
これらビジュアルデザイン、ビジュアルコミュニケーションの全ての要素を満たした存在が、モビールでした。
モビールを作ることは、私にとってグラフィックデザインの全てだったのです。
こんなに面白く、不思議な存在が、たまらなく魅力的なのです。
これら要素をしっかり取り入れながら、五感すべてに響くモビール作品を作りたいと思っています。
モビールを作り始めて気づいたこと
モビールは、左右にアイテムを配置し、バランスをとって吊るさなければなりません。
このバランスをとる作業が、実はけっこう難しいのです。
私は針金を使わないので、いつも手作業でバランスをとっています。
ほんのちょっと、0.5ミリずれただけで、とたんに平衡ではなくなってしまうのです。
バランスを何度もとりながら、人と人とのバランス、自然と人間のバランス、いろんなバランスについて考えてしまいます。
難しいけれど、本当にお互いにとってちょうどいいポイントが見つかれば、くるくると楽しく手をとりあって回れるのかもしれませんね。
また、現在私の家はモビールだらけです。リビングにも、ダイニングにも、お部屋にも吊っています。
モビールは紙でできているため軽いので、本当にちょっとの風で動きます。それこそエアコンや扇風機の風だけではなく、人が動いたときに起きるわずかな空気の動きで。
でも、誰もいない家に帰ってきて、ふとリビングへ続くドアを開けた瞬間。
その瞬間だけは、モビールは止まっています。
そしてわずかなあと、私があけた扉の風に反応して、ゆっくりと動き出すのです。
モビールは、人がいて初めて完成する作品なのだと感じました。
人と自然とのつながり、バランス、目に見えない自然の存在。そんなものを感じさせてくれるモビールは、単なるインテリアではなく、まるで私たちにいろんなことを教えてくれるような存在です。
PROFILE
ニシカワアヤコ ayako nishikawa
モビール作家／グラフィックデザイナー／グラフィックデザイン講師
石川県金沢市在住
KanazawaADC会員
金沢市内の企業にて印刷物やWEBの制作に携わったのち、
母校のデザイン専門学校にて常勤講師を勤める。
講師業の傍ら、時折印刷物やWEBサイトの制作、ペーパークラフトや切り絵の作品の発表・展示、
JAGDA Ishikawaのポスター展や、石川グラフィックデザイン協会のポスター展に参加、
金沢オリジナルデザイン年賀状の制作等を行う。
現在はモビール制作に専念するために非常勤講師に移行し、WEBやデザインの仕事もこなしながら、
モビール普及活動に奔走中。
専門分野はグラフィックデザインとDTP。
担当科目：
ベーシックデザイン／ビジュアルデザイン／パッケージデザイン／エディトリアルデザイン
V.I.／広告／CG基礎・応用／WEB基礎・応用／DTP／デザイン史／色彩